就労支援(就労移行支援)
会社を病気で休職しますと、一般的には傷病手当を受けながら会社の産業医・保健士さんの援助を受け復職を目指します。いわゆるリワークコースです。しかしながら一定の割合で復職できず、失職してしまうのが現実です。失職してしまうと会社の支援はなくなり、失業保険や貯金を切り崩しながら復職を目指すことになります。
このようにして再就職を目指すのを支援するのが就労支援です。
10年前、私はこのことをリワークと呼んでいましたが、現在ではリワークとは、休職中の人に対する援助をさし、就労支援は失職中の人に対する援助を示し一般的には就労支援、専門的には就労移行支援と言われています。
この就労移行支援には経過的に大きく2つのコースに分かれています。
まず第一は、失業保険中、あるいは貯金のある短期間のうちに再就職する短期間就労支援コースです。もうひとつは、失業保険・貯金を使い果たした状況で就職を目指すコースです。私はひきこもりコースと呼んでいます。というのはここまでくると何度も就職活動に失敗し、自信やプライドもなくなり、病気のために社会からひきこもるようになるからです。若い人ですと両親と同居し、両親に依存し社会から引きこもるようになります。両親も他界された高齢の人では、両親の代わりに障害年金、生活保護を頼りに社会から引きこもるようになります。
短期間就労支援コース
このコースでは、履歴書の書き方、面接練習、就職情報等の援助などの一般的な援助は受けられます。
しかし人気があるのは、スタッフと一週間に1~2回話すことでしょうか。面接に何度も落ちると自信もなくなりますし、経済的なことを考えると家族にも話せなくなってしまいます。そして徐々に引きこもるようになります。このような時に面接に落ちても、冗談を言って帰るのは人気があります。もうひとつは、一般就労が困難と思われた時に、障害者の枠で就労する情報提供でしょうか。一般の枠で就職活動とは少し違う道が開け、これで就職されて喜ばれる人も非常に多くおられます。
ひきこもりコース
このコースになると、定職を最後に離れてから2~3年経っているでしょうか。
自信はなくなり、面接も月に1~2回行くか行かないか、生活リズムは乱れ、外出もしなくなる人も少なくありません。以前ならこのコースの人が再就職すると、「おどろき!びっくり!」の世界で、これまでは多くの人は家に閉じこもったり、作業所、デイケアーに長期間通所するのが普通でした。
近年になり国の制度が変わり、就労に力を入れるようになり、就労を専門とするスタッフも法人に多数勤務するようになりました。
今では、このコースの人が納税者になるのに必要な期間は平均11ヶ月で、就労するのも当たり前になりました。
私も依存症の治療が入院から外来へ、そしてデイケアーに。そして今、就労移行支援の時代になったと思います。